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執筆者の写真プラザくん

10.漢字の書き順は必要か?②

漢字の書き順は学習指導上に混乱を来さないようにという配慮から定められたものでした。
今でも教科書には新出漢字の書き順が掲載されていますが、あれらは「正しい書き順」ではなくあくまで「標準的な書き順」というものですが、「教科書に載っていること=正しいこと」と捉えてしまうのが一般的ですよね。しかも、小学校低学年のお子さんたちは、「担任の先生が言ったことは絶対だ」と認識することも珍しくありませんので、「先生の言うこと=正しいこと」と受け入れる方が多いのではないでしょうか。

学校現場の実情からすると、クラス替えや担任替えが毎年のように行われている以上、個々の先生の判断で書き順をうやむやにしたり、教科書と異なった書き順もOKという訳にはいかないかと思います。

そこで、書き順は前回お伝えしたメリットがあるから、気をつけて書いた方がいいよというぐらいの認識にしておいて、今回は実際の漢字練習を効果的に行うにはどうしたらいいのかを考えてみたいと思います。

まずよくある漢字練習として、漢字ノートに、①新出漢字・②音訓読み・③書き順・④熟語・⑤短文作りといった項目を書いていくという方法があるかと思います。

【 漢字練習のコツ 】
1.音訓読みと熟語はセット
まず、音訓読みの違いによって、同じ漢字を使った複数の熟語が出来上がっています。
ですから、読みを写すときには熟語とセットという意識を持っていることが言葉を増やすうえで大切になってきます。
例えば「月」…つき・ガツ・ゲツと書くときに、お月さまの「つき」、4月の「ガツ」、月曜日の「ゲツ」というように、「月」を使った言葉を言いながら書いていくことで、低学年の内から意識的に言葉を増やす習慣が作れていくように思います。
できればご自宅では、他の言葉はあるかな?というように、できるだけたくさんの言葉を思い浮かべながら漢字を書いていくと理想的ですね。そして、1つでも思いついたら必ず褒めてあげましょう。

2.書き順は数えながら空書き
かつては、書き順を一画ずつ書き足していく方法もありましたが、それ自体にあまり意味はありません。前述したように、書き順は唯一のものではありませんので、速く・バランスよく・覚えやすくという観点からすると、一画ずつストップモーションのように漢字を完成させていく必要はほとんどないと言えるでしょう。むしろ、書き順は漢字を書く流れを考慮して作られているものですから、1・2・3と画数を数えながら空書きをする方がよほど効果的かと思います。
また、今なら漢字の書き順動画をスマートフォンなどで簡単に検索して見ることができますから、動画を見てから空書きで真似してみるのもいいかもしれません。

3.短文作りは熟語のバリエーション
漢字の読みと同じように、短文作りもできればいろんな読みや熟語の組み合わせを使いながらできると効果的です。ややもすると、面倒な作業ですから、同じ読みの漢字を使った短文ばかりにすれば時短にはなりますが、一月はさむい。二月もさむい。三月はあたたかい。…ではあまり練習する意味がありませんよね。できれば、一月はさむい。お月さまがきれいだ。月曜日には学校に行く。…というように、いろんな読みで短文を作ることで、語彙が自然と増やしていけるのだと思います。
低学年だからこそ、面倒がらずにやる習慣をつけていくことがいずれ大きな差となってくるはず重要ですから、面倒なことにチャレンジする姿だけでも十分褒めてあげる要素になるかと思います。

どんなことにも好奇心を持って取り組もうとする低学年の内から、少し先を見据えた漢字練習をしていけると、気が付いた時には大きな差になってお子さんに還元される日が来るものと思います。

前回・今回と漢字の書き順についてお伝えしましたが、最後に中学受験の漢字で書き順は必要かということだけ付け足しておきます。

中学受験で書き順が問われることはありませんが、国語の漢字の出題では、とめ・はね・はらいはチェックされるのが一般的です
ですから、標準的な書き順でバランスよくていねいに書く癖を付けておくことが間違いないのではないでしょうか。
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