お子さんたちにたくさん読み聞かせをしてきたというご経験をお持ちの保護者の方は、かなりいらっしゃるのではないでしょうか。
早い方であれば胎教絵本を読んでいたり、今でも寝る前にはお気に入りの物語を読み聞かせたりされているかもしれませんね。
親御さんの願いとしては、「本に親しむことで心豊かなお子さんに育ってもらいたい!」というお考えもあるでしょうし、「いつかきっと役に立つだろう!」という漠然とした期待もあるかと思います。
そこで今回は、読書と文章読解力ということをテーマに話を進めてみたいと思います。
小学校高学年で、国語に対して何かしら課題を抱えている保護者の方から、
A「本を読まないと文章読解はできませんよね?」
B「うちの子は本を読まないから国語ができない…」
といったお声をよく耳にします。
その反対に、
C「読書はしているのに国語の読解があまり得意じゃないのはなぜ?」
D「あんなに本を読ませてきたのに、なんで国語ができないの?」
というお気持ちの方も一定数いらっしゃいます。
AとBのご意見は、「読書量と文章読解力が比例する」というような認識をお持ちなのかもしれませんね。
少し残酷な言い方になってしまうかもしれませんが、たくさん読書をすれば自ずと文章読解ができるようになる訳でもないし、本を読まなくても文章読解ができる子はたくさんいらっしゃるというのが現実です。
おそらく、CとDの感想をお持ちの方であればご納得いただけるのではないでしょうか。
ここで保護者の方々に知っておいてほしいことは、「読書と読解は別物!」ということです。
どちらも同じような熟語に見えますので一瞬混同しがちですが、国語の学習指導という観点からも、
「読書と読解は別物!」という認識でお子さんたちに向き合っていかないと、肝心なところを見落としてしまう可能性があります。
本をたくさん読んでいるから国語はできるはずだというような先入観は危険ですし、逆に本を読んでいないから大して読解はできないだろうという単純なものでもありません。
ただし、小さいころから読み聞かせをしたり、たくさん本を読んできたことは意味がないのかといえば、そんなことはありません。
読書をしてきた方には、もちろん強みとしてプラスとなる力がお子さんに残っているものです。
具体例を挙げると