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執筆者の写真プラザくん

中学入試国語の出題傾向

11/3四谷大塚全国統一小学生テスト保護者会から,今回は中学入試国語の出題傾向について解説していきます。

首都圏の入試情報は四谷大塚からの情報をもとに,千葉県私立中学の国語の出典については教育プラザが毎年塾生保護者様に提供している内容をお伝えしていきます。


全体的な傾向


(1)大問構成・文章総字数

首都圏難関校119校中94校が論説的文章と文学的文章の大問2題構成の基本パターン。

文章を1題だけ出題するのは合計15校あり,1文章の場合は5,000字を超える長文となることが多い。

1校あたリの文章総字数の平均は約8,000字,1文章あたリの平均字数は約3,900字。

難関校においては,文章字数は増加傾向にある。

⇒総字数8,000字程の文章を平均試験時間50分で読み終え,平均解答数30問に解答するには高いレベルでの「読解力+解答力」が必要。


(2)読解問題の出題ジャンル

説明文では「人間と社会」が突出して多く,全体の約30%を占めた。

SNSによる人間関係の変化や,差別など,現代の社会が抱えるさまざまな問題へのアンテナを張っておくことが重要である。

物語文では「友人・異性との関係」が約34%と最も多く出題された。

物語文は,単一のテーマではなく,たとえば「友人・異性との関係」とともに「自己の内面」もテーマになっているという場合も多い。

⇒日頃から多くの物語を読み,さまざまなパターンに慣れておきたい。

中学入試国語(出題ジャンル)
中学入試国語(出題形式)

(3)出題形式

読解に関する設問を小問数での割合で見ると,選択肢の問題が最も多く60%を占める。

記述問題は素問数では17%にとどまるが, 1問あたりの配点は高く,得点に寄与する割合は高い。

⇒記述字数の分布では,60字以下で答える問題の割合が最も高くなっており,要点をおさえた簡潔な解答を作る練習を積み重ねる必要があろう。




中学入試国語(刊行年)

(4)出題作品の刊行年

新作(2023年刊行)の割合は,全文章中約38%。

直近5年間(2019年~ 2023年)に出版された本からの出題は約69%。

2023年に刊行された本のうちでも, 8月までに発売された本からの出題が多いため,夏休み前に発売された話題作は一度は目を通しておくようにしたい。






渋谷幕張中・市川中・東邦大東邦中で過去5年間に出題された作品


令和3年度入試では1/20市川中で出題された寺地はるな「水を縫う」が翌日の1/21東邦大東邦中でも出題されていました(単なる偶然だと思いますが…)。

中学受験を目指している小学生は日々の学習に追われて忙しいでしょうが,過去出典作品で興味が持てるものがあればぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。


渋谷幕張中【第1次】

R6

志賀直哉「或る朝」


信原幸弘「『覚える』と『わかる』知の仕組みとその可能性」

R5

津島佑子「鳥の涙」


鶴見俊輔「おとなをねぶみするひまマーク・トウェーン『トム・ソーヤー』の冒険」

R4

平野啓一郎「本心」


桑原武夫「ものいいについて」

R3

菊池寛「極楽」


湯川秀樹「詩と科学」所収「具象以前」

R2

三島由紀夫「春の雪-豊饒の海 第一巻」


山本七平「『空気』の研究」-「忖度」の温床(大澤真幸作)


市川中【第1回】

R6

浅田次郎「流人道中記」


江原由美子・山田昌弘「ジェンダーの社会学入門」

R5

大島真寿美「うまれたての星」


佐藤喜和Ⅰ「となりのヒグマ-アーバン・ベア問題とはなにか」・Ⅱ「アーバン・ベア-となりのヒグマと向き合う」

R4

あさのあつこ「みどり色の記憶」


前崎信也「あーとがわかると世の中が見えてくる」

R3

寺地はるな「水を縫う」


榎本博明「『さみしさ』の力‐孤独と自立の心理学」

R2

八重野統摩「ペンギンは空を見上げる」


齋藤亜矢「上手い,おもしろい」


東邦大東邦中【前 期】

R6

前川麻子「パレット」


浅田次郎「東京の緑」

R5

朝井リョウ「清水課長の二重線」


山極寿一「人生で大事なことはみんなゴリラから教わった」

R4

氷室冴子「さようなら女の子」


菅野覚明「日本の元徳」

R3

寺地はるな「水を縫う」


高槻成紀「唱歌『ふるさと』の生態学‐ウサギはなぜいなくなったのか?」

R2

柚木麻子「終点のあの子」


前田英樹「独学の精神」

今回は,中学入試問題国語についてお伝えしました。

次回は理科について解説していく予定です。

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