top of page

中学受験の過去問は塾の仕事

以前のブログでも書きましたが、「中学受験は親の受験」というフレーズをつい先日耳にする機会がありました。

毎年秋になるとこの「中学受験は親の受験」という話題を思い出すのは、教育プラザの四谷受験コースにおいて、過去問演習が始まる時期だからかもしれません。


もし仮に中学受験が親の受験であるなら、過去問演習のスケジューリング・得点管理・課題抽出・弱点克服…といった、中学受験で合格を勝ち取るのに必要不可欠ないくつかの要素を、基本的にご家庭で行うということになるのでしょうか?

現実問題として仮にそうだとしても、過去問演習にまつわるすべてのことをひっくるめて「中学受験は親の受験」というのであれば、塾側の都合で乱用されているのではないかとやや疑問に感じてしまいます。


中学受験塾では当然のことながら、重要単元の入念なチェックや入試頻出問題の演習、あるいはレベル別・学校別に抑えておくべき内容を反復演習するなどの対応がなされているはずですから、それらは当然大切な学習内容として受験が終わるまで継続していくべきものだと思います。


しかし、肝心のお子さんが受ける中学校の過去問演習をご家庭で抱え込むことには、どうしても違和感を覚えてしまうというのが教育プラザの考えです。

なぜなら、ほとんどの保護者の方が経験済み高校受験や大学受験とは異なり、中学受験は入試問題の特徴や難易度など、どこを取ってもとても特殊なものだからです。


保護者の方が中学受験の経験者だったとしても、出題傾向や答案で要求される力は年々変化していますので、なかなか対応が難しいのが正直なところです。

だからこそ、中学受験の過去問は塾の仕事だと考え、毎年中学受験の指導を行っています。


そこで、今回は教育プラザが長年こだわって継続している中学受験の過去問演習について、その一部を公開いたしますので、これから受験期を迎える方は参考になさってみてください。

中学受験 過去問演習

①過去問演習を塾でやる目的とは?


教育プラザでは、毎年10月になると、中学受験をする6年生それぞれの志望校に応じて、過去問スケジュールを個別に作成します。

そして、過去問演習 ⇒ 得点チェック ⇒ 間違い直し+質問 といったひと通りのことを、通常授業内で進めるようにしています。

その上で、家庭学習で進めるもの、週末に取り組んでほしいことなどをお伝えし、受験生が自らの目標に向かって邁進していけるように先導していきます。

当然のことながら、今まで指導に携わってきた各教科の担当がそのまま過去問演習も進めていきますので、お子さんそれぞれの課題や特徴、志望校合格に向けての学習方法やアドバイスなども直接お伝えするように心がけています。


保護者のみなさまの学生時代を思い起こしてみてください。

高校受験や大学受験で、過去問をやり込まずに受験をすることはあまりなかったのではないでしょうか。

同時に、過去問で出てきた課題や弱点を誰かに質問したり相談したりされたのではないでしょうか。

受験間近の大事なその役目は塾にあるという認識で、毎年責任を持って受験指導を行っています。



②過去問をやる順序は?


夏休みに第一志望校の最新年度の過去問題を解いてみたというようなお話を、時々耳にすることがあります。

この時の正直な感想として、「あぁ、もったいない……」という気がしてしまいます。

なぜなら、最新年度の過去問は少しずつ変化している入試問題で手に入れることができる最終形だからです。


過去問をやる際によく話題になりますが、

「過去問は新しいものから?古いものから?」


こちらの問いに正解はありませんが、教育プラザでは古い方から始め、変化の流れをつかみながら進めるようにしています。

実際に、10年前には問われなかったことがここ最近はよく聞かれるようになったなんてことはザラにありますし、出題傾向や配点が変わるということも珍しくありません


なかなか理想通りに行かないことも多々ありますが、古い年度から徐々に傾向・難易度をつかみつつ、受験日が近づいてきたら最新のもので仕上げるというイメージで取り組んでいます。



③過去問は何回やるべきか?


あくまでも過去問はその学校の出題傾向と難易度を知り、自分の実力がどの段階にあるのか、どこを強化していけばいいのかを知るために行うものだと考えています。


当然ながら、実際の入試問題は100点満点を目指すのではなく、合格最低点をクリアして合格することが求められますので、初見で何点取れるのかが一番重要になってきます。


ですから、全教科何回も通しで行うよりも、合格点に到達するために必要な教科・問題を絞り込んで着実に得点できるように間違い直しをする方が効果的だと思います。


そうすると、国語の長文読解は1回しか使えないかもしれませんが、算数で取るべき問題は、自力でできるまで何度もやり込むことに意義がありそうですし、理科・社会は課題となる単元に戻って知識を再確認してから直しをした方が自分の成長を感じられるような気がします。


数をこなして何とかすることにもそれなりの意味はあるのでしょうが、教科の特性やお子さんの実情に照らし合わせて過去問を使いこなしていくことが合格への近道かもしれません。


これから冬を迎えると本格的な受験シーズンとなります。

教育プラザに通われている方々には直接指導できますが、今回この記事をお読みになり、これから受験を迎えられる方にとって、多少なりとも参考にしていただける点があれば幸いです。




閲覧数:32回
bottom of page