令和6年12月18日に千葉県教育委員会より令和8年度以降の千葉県公立高校入試の改善点についての発表がありました。
現在の中学2年生以降が対象となる改善点ですが、
1.「調査書記載項目の精選」
2.「国語」における「放送による聞き取り検査」の見直し
という大きな変更となりますので、現時点で判明している情報をお伝えします。
1.調査書記載項目の精選 (令和8年度入試から)
以前のブログ 「調査書(内申点)について」 にて調査書のことは説明しましたが、どうやら現中学2年生からその記載項目が変更となるようです。
その内容は以下の通り
1 調査書の記載項目の精選(令和8年度入学者選抜から)
配慮の必要な生徒の心理的負担等とならないよう、調査書の記載項目を精選します。
削除する項目は、以下の4つとなります。
総合的な学習の時間の記録
出欠の記録
行動の記録(第3学年)
総合所見
なお、令和7年度入学者選抜においても、不登校経験を有する生徒について、在籍する学校における出席の状況のみをもって不利益な取扱いをしないこととしています。また、欠席が多い理由について説明するために、自己申告書を提出することができます。自己申告書が提出されたことによって不利益な取扱いをすることはありません。
千葉県教育委員会HP より引用
つまり、昨今問題となっている不登校の増加ということが背景にあるようです。
ちなみに、ご存じかもしれませんが、2024年10月31日に文部科学省から公表された 「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」 では、令和5年度の不登校児童生徒数は11年連続増加し、過去最多の346,482人(前年度299,048人)、在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は3.7%(前年度3.2 %) とのことでした。
《 不登校の児童生徒の欠席日数の割合 》
欠席日数 30~49日…22.3%
欠席日数 50~89日…22.7%
90日以上欠席…55.0%(前年度55.4%)
《 小・中学校の不登校児童生徒について把握した事実(降順) 》
学校生活に対してやる気が出ない等の相談があった…32.2%
不安・抑うつの相談があった…23.1%
生活リズムの不調に関する相談があった…23.0%
学業の不振や頻繁な宿題の未提出が見られた…15.2%
いじめ被害を除く友人関係をめぐる問題の情報や相談があった…13.3%
2.「国語」における「放送による聞き取り検査」の見直し(令和9年度入試から)
教育プラザでも、毎年夏休み以降公立入試を意識した模試を導入していますが、受験生が予想外にてこずるのが実は国語というのはあまり知られていない事実かもしれません。
さらに、以前「令和6年度千葉県公立入試結果」というブログにも書きましたが、過去の千葉県公立高校入試においても、他教科と比べて平均点が低い2教科はダントツで国語と数学ということもあまり意外に思われるのではないでしょうか。
国語が難しい要因はいくつかあるでしょうが、間違いなく大きな要因の1つとなっているのは、50分でこなさなければいけない問題量というのがあるかと思います。
《 令和6年度入試 国語 》
1⃣放送による聞き取り検査
2⃣・3⃣漢字の読み・書き
4⃣説明的な文章
5⃣文学的な文章
6⃣古典
7⃣条件作文
では大問1がどのように見直されるかというと
2 学力検査「国語」における「放送による聞き取り検査」の見直し(令和9年度入学者選抜から)
本県の令和6年度入学者選抜では、「話すこと・聞くこと」の領域に関して、「放送による聞き取り検査」のみで出題していました。
「放送による聞き取り検査」に代わり、話し合いの場面等を設定した文章による出題とすることで、「話すこと・聞くこと」の領域に関する資質・能力を複数の問題から、見取ることができるようにします。
千葉県教育委員会HP より引用
この情報だけでは具体的な内容が判然としませんが、少なくとも受験生たちが準備をした成果が、時間内に発揮できるような内容になってくれることを願ってやみません。
改善点の1点目は、不登校の影響がとうとう入試にも及んできたかという感想を持ちました。
おそらく、不登校の児童生徒が増え続ける現状が変わらない限り、何かしらの変更は今後も出てくるかもしれません。
また、新たな情報が入りましたら、こちらでお伝えしていきたいと思います。